平成15年12月、従来のAM(振幅変調)、FM(周波数変調)などのアナログ変調に比べ、映像、音声の受信品質が良く、また周波数を有効利用できるなど、多くの利点を持つデジタル変調方式(音声と映像のデータを圧縮してデジタル変調する方式)を取り入れた「地上デジタルテレビジョン放送」が、関東、中部、近畿地方の一部において開始されました。

地上デジタルテレビジョン放送の特徴は、次のとおりです。

  1. 高画質
    走査線が1125本とアナログテレビの525本の約2倍になりますから、画面の鮮明さが飛躍的に良くなります。
  2. 多チャネル
  3. 双方向サービス
  4. 移動体向けサービス
  5. 高齢者や障害者向けサービス


○ 地上デジタルテレビジョン放送のアンテナ及び送信設備

地上デジタルテレビジョン放送設備


地上デジタルテレビジョン放送受信機


○ 地上デジタルテレビジョン放送の主な特徴

  @  ハイビジョン放送等の高品質な放送や多チャネル放送が可能なデジタル化により、右図のように6MHzの帯域の中で、ハイビジョン(HDTV)放送なら1チャネル、または標準テレビジョン放送(SDTV)なら3チャネル放送が可能です。


  A  携帯移動受信に適した変調方式(OFDM)や強力な誤り訂正機能等を採用することにより、良好な携帯・移動受信が可能となります。
  B  日本の地上デジタルテレビジョン放送は、下図のように6MHzの周波数帯域を13個のセグメントに分けて映像や音声、データなどの情報を送っています。
 このため、様々な運用形態を随時組み合わせた放送が可能で、伝送特性(変調方式、符号化率等)などの異なる複数種類の放送を同時に行うことができます。
   
    地上デジタル放送のセグメント構成例

○ ワンセグ

 携帯電話や携帯端末及び車など移動体向けに、下図のように13個のセグメントのうち中央の1セグメントだけを使って専用の映像、音声、データなどのサービスを行うものが「ワンセグ」と呼ばれるものです。
 「ワンセグ」の番組は、残りの12個のセグメントで放送している通常のテレビ番組と基本的には同じ内容であり、家庭で見ている番組と同じ内容を外出先でも視聴できるなどの特徴があります。
 「ワンセグ」は、平成18(2006)年4月から東京、大阪、名古屋を中心に放送が開始されます。


○ 放送実施スケジュール
  •  平成15(2003)年12月から東京、名古屋、大阪地区で放送が開始されました。

  •  その他の地域においても平成17(2005)年から同18(2006)年にかけて放送が開始されます。

  •  平成23(2011)年7月24日までにアナログテレビジョン放送が終了し、全地域でデジタルテレビジョン放送に移行されることになっています。