
わが国の地上波によるテレビジョン放送は、昭和28年(1953年)に開始され、昭和35年(1960年)にはカラー放送が開始されました。当初から、映像信号に振幅変調(AM)を、音声信号に周波数変調(FM)を用いるNTSC(National Television Systems Committee)方式により放送が行われています。この方式は、カラー、白黒テレビションの両立性を持つのが特長です。世界的には、アメリカ及び韓国が採用しています。
テレビジョンの放送方式には、この他PAL方式、SECAM方式があります。
周波数は、VHF帯90MHz〜108MHz(1〜3ch)、170MHz〜222MHz(4〜12ch)、UHF帯470MHz〜770MHz(13〜62ch)が割当てられています。
これらの周波数帯の電波は、地上波(直接波と大地反射波)が主体となりますから、見通し内の地域がサービスエリアとなります。
しかし、4月から8月にかけて、電離層のスポラディックE層(100km)が突然発達すると(月に数回程度)、それによってVHF帯の電波が反射され、1,000kmから2,000kmも離れた地点からの電波が受かることがあります。その結果1〜3チャネルのVHF帯のテレビジョン放送に混信による映像の乱れが生じます。日本では、中国や韓国からの電波が混信の原因になるため、テレビ受信アンテナが西を向いている家庭の多くで、混信の影響を受ける傾向があります。
テレビジョン放送用のアンテナは、サービスエリアを広くするため、テレビタワー又は山頂に設置する例が大半です。
○ 首都圏をサービスエアリアとする送信所(タワー)
東京タワー 高さ:330m |
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建設当初の東京タワー |
○ 送信装置
テレビ送信機の例(タワー内にテレビ送信装置がある)
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映像出力:50kW
音声出力:12.5kW |
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テレビ放送送信装置
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テレビ中継送信所 |
○ テレビジョン受像機
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放送初期の白黒テレビ受像機 |
カラーテレビ受像機(画面比4:3) |
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最近のテレビ受像機横長画面(画面比16:9) |
○ 地上テレビジョン放送用の周波数一覧
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