中波放送の特徴

  1. 中波放送は、日本で最初に行われた音声放送です。この放送には、音声信号の強弱に応じて電波(搬送波)の振幅を変化させる振幅変調方式が使われています。
  2. 中波帯の放送は、525kHz〜1605kHzまでの周波数を利用して行われる音声等による放送で、その間に9kHzの間隔で120チャネルが割り当てられています。波長が長いため地形や建物の影響が少なく、広い地域に放送が可能です。また、カーラジオでも受信し易い特長があります。
  3. 一方、中波帯の電波は、電離層の吸収が少なくなる夜間には、電離層で反射した成分が遠くまで届くため、混信妨害の発生することがあります。

 

 ○ 大正14年7月12日に本放送を開始した愛宕山の東京放送局です。


東京放送局の送信アンテナ
周波数  :800kHz
空中線電力:220W
呼出符号 :JOAK
 

   
大正14年3月22日、日本で初めて
試験放送電波を発射した芝浦仮送信所
放送開始当初普及した探り式鉱石受信機


 ○ 中波放送のアンテナ

 中波放送は、一般的に下図のような垂直型のアンテナが使われています。
例:800kHzの周波数の波長は375mであり、最も効率がよいとされる1/4波長でも93mの高さとなります。そこで頂部に円環をつけて実効長を長くした頂部負荷型や頂部に水平エレメントを付加したT型空中線が使われています。
頂部負荷型空中線
T型空中線

頂部負荷部分は左図の構造になっています。



○ 中波放送の送信設備   ○ 中波ラジオ受信機各種

ラジオ放送の送信機の例
(真空管を使用している)
 
放送開始頃の各種ラジオ受信機

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