許可を受けて離陸した航空機は、巡航高度までターミナルレーダによる管制を受け、規定の高度に達した後は、航空路監視レーダによる管制を受けながら、NDB、VOR/DMEを利用し目的空港に向かって飛行します。
 さらに、空港に近づき進入態勢に入ると着陸管制レーダによる管制を受け、最終進入許可を受けてILSを利用して着陸します。
 航空機が離陸から着陸までの間に利用する航空保安無線は、次のようになります。


保安無線と管制無線の使用例


 @ 二次監視レーダ(SSR Secondary Surveillance Radar)

 二次監視レーダは、ARSRまたはASRと組み合わせて使用します。この施設は、航空機の識別情報(モードA)及び高度情報(モードC)を得るためのシステムです。
  航空機は、この装置から発する質問電波を受信すると、航空機のATCトランスポンダ(航空交通管制用自動応答装置)から各機に固有の応答信号を発射し、地上レ−ダ表示画面上に航空機の識別、高度並びに緊急事態の発生等を表示するシステムです。
周波数は、1030/1090MHzを使用します。
二次監視レーダの図
   

 A 空港監視レーダ(ASR:Airport Surveillance Rader)

 空港から110km以内の空域にある航空機の位置を探知し、出発・進入路の誘導及び航空機相互間の間隔設定等のターミナルレーダ管制業務に使用されます。
 3GHz帯の周波数を使用しています。

 B 航空路監視レーダARSR(Air Route Surveillance Radar)

 航空路管制を行うために、航空路上の航空機の位置を把握する一次レーダであって、半径約370km監視能力を持っています。航空路監視レーダARSRは、空港監視レーダASRと連動して使用されます。
 全国をカバーするレーダ網が配置されています。 周波数は、1300MHzを使用しています。
航空路監視レーダ

 C 空港気象レーダ

 空港気象レーダは、雨の強さの分布、降水域内の風の分布を観測できるレーダです。このレーダ情報により、航空機の離発着に危険を及ぼす大気下層の風の急激な変化(マイクロバースト)を探知し、航空機の安全運行に有効に利用されています。
マイクロバーストによる航空障害の仕組み   空港気象レーダ