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電波利用の保護

   
  免許が必要な無線局と、免許を要しない無線局  不法無線局は、社会の様々な分野で迷惑を及ぼす
不適合無線機の販売状況  電波利用環境保護の仕組み  関係協力団体
 


 不法電波は、何故無くならないか。これらの原因の多くは、電波を利用する法令制度を知らないために免許を受けないで不法に電波を発射した。或いは、販売している無線機は、許可を取らなくとも使用できるものと誤解して電波法に適合しない無線機を購入して不法に電波を発射する等の事案が多いと推定されています。したがって、電波利用制度をよく知ってもらうことが不法電波の抑止につながることになります。

1 免許が必要な無線局と、免許を要しない無線局
  (1) 免許を要しない次の無線機は、購入し使用できます
 

 免許を要しない無線局は、微弱な電波を使用する無線設備、市民ラジオの無線局(27MHz帯、0.5W以下)と小電力無線設備(0.01W以下)の3つです。(電波法第4条、但し書きの規定)

○微弱電波を使用した無線機(例:ラジコン、微弱のコードレス電話等)

 微弱電波のレベルの限界値は、次の通りです。

○ 市民ラジオの無線局

市民ラジオの条件
  • 周波数26.9MHzから27.2MHzまで
  • 空中線電力0.5W以下
  • 技術基準適合証明を受けた無線設備を使用

○ 小電力無線設備

小電力無線設備は、次の条件を備えたものです。
 @ 空中線電力0.01W以下であること
 A 総務省が定めた周波数を使用するものであること
 B 技術基準適合証明を受けた無線機であること
 C 混信その他の妨害を与えないで運用をすることができること
 この条件を無視し無線機器を改造使用すれば、不法無線局となります。

(2)  微弱電波のレベルを超えた無線機器は免許が必要となりますので、免許を取得しないで電波を発射すると不法無線局を開設、運用した犯罪となります。
 市民ラジオ及び小電力無線局の条件を充たしていない無線機器の使用は、当然、不法無線局を開設、運用した犯罪となります。
(3)  市民ラジオ、アマチュア無線、パーソナル無線の無線設備が通信販売等で多く売買されています。総務省は、これらの無線設備が不法無線局として使用されることを防止するため、「指定無線設備」として指定し、販売する業者に対して購入者に免許を受けて使用する必要がある旨の告知を義務付けています。

 

2 不法無線局は、社会の様々な分野で迷惑を及ぼす

市販の無線機を免許なしで使用できると誤解して不法無線局を開設し、社会に迷惑を掛けている事例
 現在、電波監視で確認した不法無線局の約96%は、アマチュア用無線機、パーソナル無線機、及び市民ラジオの無線機を電波法の技術基準に適合しない内容に改造したもの、或いは、外国規格で製造された無線機を輸入したもの、日本で製造された外国規格無線機を逆輸入したもので占められています。




  ○ 不法無線局の事例1
 

 アマチュア無線用の改造機器を購入して使用した不法無線局の例です。
 例えば、アマチュア無線用の周波数144MHz〜146MHz帯の無線機を140MHz〜174MHzまで発射可能に改造し、或いは、周波数430MHz〜440MHz帯の無線機を420MHz〜470MHzまで発射可能に改造した無線設備を購入し、免許を要しないものと誤認して免許を取らないで無線局を開設して電波を発射した場合です。

 

  販売ルート

 

 

 改造無線機は、図のような経路でユーザに売買されています。改造業者が適法に製造された機器の規格を変更し、或いは、中古無線機を改造して販売店に供給するものです。
 これらの不法無線局は、消防・救急、電気事業、鉄道事業の周波数、或いは、警察の周波数に妨害を与える事例が多発し、市民の人命、財産の保全や日常生活に障害を与えています。




  ○ 不法無線局の事例2
 

 アメリカ等第2地域のアマチュア無線用の周波数は、144MHzから148MHzまでですが、日本では146MHzから148MHzまでの周波数は、陸上で使う移動通信に割当てられているため、輸出用又は逆輸入のアマチュア無線機器を購入・使用すると、日本で使用している陸上移動通信の周波数に妨害を与えることになります。

 

  販売ルート



  ○ 不法無線局の事例3
 

 アマチュア用無線機の製造業界では、自主規格として無線機器の改造防止対策を施し「J」マークを表示して販売しています。これを流通過程で故意に解除して、「Jなし」の表示をした改造可能な機器として販売され、購入者等が周波数の範囲を拡大する改造を行い使用されています。この場合は、改造の内容により他の無線局の周波数に妨害を与えることになります。

 

  販売ルート



  ○ 不法無線局の事例4
 

 電波法の基準に適合した市民ラジオは、周波数が27MHz帯の8チャンネル、空中線電力が0.5Wの規格です。この機器を、周波数120チャンネル、空中線電力5W〜5kWの無線機に改造・販売し、購入者が、利用できるものと誤認し不法無線局を開設し、漁業無線、海上保安無線、テレビ受信に妨害を与えています。

 

  販売ルート



  ○ 不法無線局の事例5
   パーソナル無線の周波数903MHz〜905MHzの無線機を889MHz〜911MHzまで発射可能に改造・販売し、購入者が免許を要しないものと誤認して無線局を開設して、電波を発射し、MCA無線、携帯電話、地域防災無線等の無線局に障害を与えています。
 市民ラジオと同じ物流でユーザに売買されていると思われます。
 事例4と同じです。



3 不適合無線機の販売状況
 

 電波法で定める技術基準に適合しない不適合無線機器、或いは、日本で使用できない周波数が発射可能な外国製無線機器を雑誌やホームページを通して通信販売が行われています。
 平成15年度に月刊誌に掲載された電波法に適合しない無線機の機種数を下表に掲げました。
 不法無線局は、市販されている不適合無線機器を購入し、免許を要しないと誤解して購入するのが主な要因となっているようです。

  アマチュア無線機器 市民ラジオ パーソナル無線 微弱電波無線設備
不適合機器製造 2 1 30
改造した機器 14 7
輸出機器(外国規格) 67 20 3
外国製機器 3
中古機器 8 3
アンプ等 1 28 1 5
合計 87 56 12 38



4 電波利用環境保護の仕組み
  (1) 電波利用秩序維持対策
 

 電波利用秩序維持(電波利用環境の保護)対策は、総務省が全国各地に電波の監視施設を配置(人口カバー率73%)して実施しています。
 電波監視においては、無線局から発射される電波を捕捉し、その電波の利用内容が電波法令に定める基準に適合しているかどうかについて次のようなチェックを行っています。

@ 発射する電波の周波数の誤差(偏差)を測定し、電波法令の基準に違反した場合は、正しい周波数(割当て周波数)で発射するよう注意する。或いは、通信方法が電波法令に違反した場合もルールを守るよう注意する。
A 混信妨害の申告には、混信原因の調査を行い、原因を究明し、原因を除去することによって解決する。
B 更に、不法無線局を認めた場合、あるいは、推進員等からの情報提供があった場合は、電波を発射している場所を探査して発射源を確認し、警察へ告発を行うことによって排除する。
  電波の監視施設こちら

(2) 混信防止に関する免許人の協力義務
 

 第一義的には総務省が電波の利用秩序の維持を責任を持って実施しますが、電波の特殊性(目に見えない、発射地点の確認が困難等)を考慮し、電波法は、免許人が無線局を運用中に違法・不法無線局を認めた場合は、総務省大臣に報告する義務を課し、自立的な協力により電波の利用秩序の維持を図ることになっています。 一般に電波法第80条報告と云われている制度です。


(3) 登録点検事業者の活用
   無線局の新設検査、定期検査等については、従来、総務省の職員が直接検査を実施してきましたが、民間活力の一層活の活用を図るため総務大臣の登録を受けた点検事業者は、国が開設する無線局を除く全ての無線局を対象に新設検査、変更検査及び定期検査を実施できることとなりました。
 その結果、「登録点検事業者」が実施した無線設備の点検は、国が実施した無線局の検査と同等の効果が認められています。この事業者は、無線設備の管理を通して混信防止等、電波利用秩序の維持に寄与しています。



5 関係協力団体

 
電波環境協議会(EMCC)
 さまざまな電子機器が機器本来の働きや性能を発揮する時に、機器の外部へ放射してしまう不要な電波が社会的に大きな問題となり、不要電波に対する抜本的対策を講じることが電波利用にとって重要な課題となっています。
 電波環境協議会は、関係する官庁、業界、メーカ、利用者団体等で協議会を設置し、不要電波による障害を防止し、除去するための対策を協議し、施策に反映しています。


受信環境クリーン協議会
 テレビ放送やラジオ放送は、生活に必要不可欠なメディアとなっています。しかし、放送の受信環境は、テレビ放送受信用ブースター、パソコン等からの雑音、無線局からの混信、建物による電波遮蔽・反射などを原因とする放送の受信障害が発生しています。
 受信環境クリーン協議会は、こうした受信障害の防止を図るため、10月1日から10月31日までを「受信環境クリーン月間と定め」全国各地で放送電波の受信障害の防止に向けた活動を集中的に展開しています。

活動の内容
 建造物障害対策、テレビブースター障害対策、電気雑音障害対策、無線局障害対策を柱として、セミナー、講習会の開催、相談所の設置、調査・パトロールの実施等を行なっています。


   
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